LADY GO 8




 それから十分と経過しないうちに二度目の運命の出会いがやってきた。
 
 
 図書室で見付けた君の姿。机の上に突っ伏する進藤の頼りなげな姿は目の錯覚か?
 そして声を掛けようとした君の細い肩に、僕は君が女の子だったという事を思い知らされた。
 君の碁に心惹かれ。そして男も女も関係の無い世界だからこそ、女の子だと意識したつもりはなかったのに。
 こうして僕の視界に入った君はとても可憐だったのだ。
 相変わらずの短い髪。
 どうして今まで気付かなかったのだろうか。君の髪がとても柔らかそうで、良い匂いがするという事に。
 そして制服の襟から覗く白い首筋がとても眩しくて……。
 君と出会って二年と少し。何時の間にこんなに綺麗になったのだろうか。


「僕と戦うためじゃなかったのか!!」
 もう打たないと、ごめんと謝って走り去る君を追い掛けられなかったのは、翻る制服のスカートが目に毒だったからだ。
 けっして進藤が勢い良く駆け出したために、……が見えてしまったからではない。
 スカートから見えたのは進藤の細く白い大腿。おそらく足が長いのだろう。そんなすらりとした足が目に焼き付いていて。
 際どい位置まで見えたためか進藤の後ろ姿が帰宅してからも脳裏から離れなかった。
 そして申し訳ない事に、その事件の十分前に出会った理想の彼女の事はすっかり霞んでしまっていた。


 その夜僕は熱を出した。
 夢の中に進藤が現われて……。ここから先はオフレコにしてもらいたいが、夢の中で進藤は裸で僕に手招きしていたのだ。

 ああ、神様。進藤の胸の膨らみまで夢の中で想像したうえに、フルカラー・オールヌードというのは一体どういう事でしょうか。

 まさか僕は変態ですか?


 そして。
 やっと恋という言葉に思い当たるには、それからもまだ日数を要する塔矢アキラなのであった。






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