LADY GO 3.5
緒方さんに誘われて行った日曜の棋院。そこで見たのは進藤ヒカルだった。 いつの間に院生に? 戸惑う僕はそれでも決意していた。 進藤なんかに追い付かせはしない。 そして若獅子戦。院生の16位だというが、そんな実力で僕と対局しようなんて。 だが、確実に実力はついてきているみたいだった。プロ相手の対局で負けたとはいえあの打ち回し。 僕は焦りを感じているのかもしれない。 それにしても進藤にいつもと違う違和感があった。 盤面に気を取られていたのだが、今思い出すとなんだか物凄い違和感があったような気がする……。 それが何か確かめたくて、翌日僕は緒方さんを探した。 「自分の目で確かめろ」なんて緒方さんは意味深な事を言っていたけれど……。 僕はそれから三日三晩悩み続けた。 そしてやっとその疑問は解けた。 僕が感じた違和感。 それは進藤の胸が膨らんでたからだ。 やっと疑問が解けた。 これでやっと眠ることが出来る。 ちょっと待て進藤に胸? なんかおかしくないか? いや確か進藤は女の子だったはずだ。あっても不思議じゃないが、ある方が不思議な気がしたとして誰が僕を責められようか。 そう僕には罪は無い。 これっぽっちも無い。 そんな塔矢アキラが恋を知るのはまだまだ先の話。 |