君はPretty Woman 2




 クリスティナはとても優しい。無口な俺に対し、色々と構ってくれる。始めこそは馴れ合いなんて……と思っていたが、強引でも親切な彼女を最近は好ましく思うようになっていた。
 特にあの胸は尊敬ものだった。俺もあの年になったらあんなデカイものが手に入るのだろうか? 所詮希望的観測かもしれないと落ち込みつつ彼女を見る。
「ねっ?刹那も一緒に」
 さっきから何度も断っているが熱心な誘いだけに断りにくい。
 彼女を傷つけずに断ろうと四苦八苦していると浮わついた口笛とともに俺とクリスティナをロックオンが囃し立てた。
「もてもてだねぇ」
 女が女にもてて何が楽しい?
 ロックオンの言葉にカチンときた俺は、一度は断わろうとした誘いに応じる事にした。
「参加する」
 そうこなくっちゃ!と笑顔のクリスティナに手を引っ張られつつ、ちらりと見たロックオンはグッドラック!とウィンクをしていて……。
 あの鈍感ヤロウ!




「で、ありゃ何だ?」
 整備などの女の子達まで集まる様子にロックオンは首を傾げる。
「パジャマパーティーらしいです」
 すかさずアレルヤがかわいらしいですね、と言葉を添えた。
 だがロックオンは驚いたようにアレルヤの肩を揺さぶったのだ。
「おいっなんで刹那が」
 女の子に囲まれてハーレムかよ。羨ましい! アルコールも入れば良い雰囲気になるだろう。くそー羨ましくないぞー。などと騒ぐロックオンにアレルヤはほんの少しヒントを見せる。
「女の子に受け入れられる何かが刹那にあるんでしょう」
 アレルヤは知っているのだ。
 というか知らないのはロックオンだけじゃないかと最近は思っている。あるいは刹那自身もか。
 あと少しの脱皮は必要かもしれないけれど、刹那は充分に美少女だ。女の子達にとって、刹那は可愛いのに強くて、そして不器用で。だから何かと構いたくなる存在なのかもしれない。
 勿論そんな事をバラしたら刹那に殺されそうだから言わないけれど。
「あーそうか。あとから二人きりになるってやつか? なかなかクリスティナも積極的だな」
 誤解に誤解を重ねるロックオンにもはやフォローは必要ないだろう。
 いつか自爆しろ!と、ハレルヤの言葉にアレルヤも同意するのだ。





 夜通しの話はもっぱら恋愛にもつれこんで。恋バナというものらしいが、刹那は何故か自分にその話を振られなくてホッとしていた。
 実はロックオンに恋をしていることが周知の事実とは思いもしていないのだが……。
 最後には素材がいいんだからと化粧されたりとカオスな一晩だったと刹那は回想する。
 眠気を振り払いつつ朝食をとっているとロックオンが隣に座って刹那の心臓の動きを早めさせた。。
「おっ、刹那。あれ、その口」
 落としきれていない口紅をロックオンが目敏く指摘したのだ。
「昨夜、クリスティナとはどうよ。ヤったのか? ヤったよな!」
 食われちゃったか〜。なんてセクハラ発言とともに、ロックオンは拳を作ったかと思うと親指を握りこみいやらしい手付きをしたのだ。
 それがどういう意味か刹那が知らないはずもなく……。
 怒りと恥ずかしさで刹那の身体が震える。
 刹那は無言で朝食を胃に詰め込むと、しつこく聞いてくるロックオンの足を蹴って逃げだしたのだった。
「刹那のヤツ照れちゃって〜」
 こりゃ童貞捨てたなと嬉しそうなロックオンに青い顔をしたアレルヤがこっそり呟く。
「それってセクハラですよ」
 だがそんなアレルヤの言葉はロックオンの耳には届かないのであった。



 この事を後になってロックオンは激しく後悔する事になるのであるが、それにはまだもう少し時間を必要とする。









ニョタっていいですよね〜。特に貧乳なのが好きです。いつになったらロックオンが気付くのか。
刹那が巨乳になってからとなると一生気付かなさそう!?



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