MOON & SUN 序章




 赤い悪魔の呪い。
 六年経った今も刹那を支配し続ける。
 忌まわしい記憶。そしておなじく忌むべき現実。

 気だるい身体を刹那は起こす。
 いつまでも慣れる事のない身体は毎朝を辛く感じさせた。寝ているはずなのに疲労 感は色濃い。
 もうすぐ17を迎えるはずの身体はまだまだ幼さを残す。身長も平均以下であった し、手足の筋肉も少年っぽさが抜けきらない。
 薄い胸板と細い腰はさらに幼さを強調するようで刹那は好きではなかった。
 それもすべてあの男のせいだ。
 赤い髪の悪魔。

 ヤツの言葉が今もまだ耳に残る……。











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