決して見た目が乙女だとか、そんなことは決してない。上・中・下で評価するならばかろうじて中に入るぐらいだろう。
誰が見ても、小松はちょっとばかし童顔の25にもなるいい成人男性だ。
それなのに……。
トリコは目の前で頬を染め、目を潤ませる小松を直視できないでいる。
理由はごく簡単だ。
小松の頬が赤く潤んだ目をしているのは、単なるアルコールのせいで、トリコが小松を直視出来ないのはそんな小松を可愛いと思っているからだった。
小松の仕事帰りにぬもんちゅがで軽く一杯飲もうと誘ったものの、もうすでに数時間は過ぎている。
そして、酒も入っていい気分になれば下品なネタも下ネタもあまり咎められないものだ。
「オレは庭を出てからだから、まぁ遅い方だな。小松はどうよ?」
「は、初体験ですか? いやだなトリコさんっ、そんなのは結婚する相手とするもの決まってるじゃないですか〜」
はわわ〜と小松はさらに顔を赤らめる。
という事はつまり、結婚していない小松は25にして童貞という事で……。
普通童貞というものは捨てるものであって捧げるものではないはずだ。しかし小松の場合それが微妙にしっくりくるのはどうしてか。
「ふ〜ん。で、相手は?」
「そ、それはこれからですっ!!」
こんなボクでも良いって人がいるならいつでも。まぁボクより小柄な人が希望ですけど。いや、そんな贅沢言いませんって。
と、いつになく饒舌な小松にトリコには面白くなかったが、一連の会話から小松に想い人がいない事を知って安堵もしていた。
お前よりかなり大柄で良けりゃ、バックバージン捧げる気はねぇか?
……とは、流石に言わないでおいた。
『いつかいただきます。』
小松可愛い、小松乙女!!!
トリコさんだってきっと小松を乙女だと思っているに違いない、だからおしとやかに驚けとか台詞出るんですよね〜。←かなり妄想入ってます。
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