甘い夢



 これは夢だ。
 まだまだ幼さを残す主が、己の身体の下で折れそうなほどの体位を強いられ啜り泣く。痛みと恐怖と受け止めきれない快楽がリクオを責めている。
 それでも鴆はリクオを離す気にはなれず、その細腰を掴み欲望を穿ってはリクオを汚していく。
 リクオを陵辱し貶めるなど、これが夢でなくてなんとするか。
 都合の良い夢は己の願望が見せる一時の逃げなのだ。
 現実にリクオを押し倒す事などは考えられないから、せめて夢の中だけではと本能のままにリクオを貪る。
 甘い唇が逃げるのを鴆は許さずに吸いついて、小さな舌を甘噛みしてはリクオの口内を暴く。
 イヤイヤと頭を振って逃げようとするリクオをつなぎ止めるように欲望でその奥を突けば、リクオ自身も愉悦を示す。
 見た目はどんなに幼いように思ってはいても、妖としてはもうすぐ成人を迎える身体は純粋な人間よりも成長が早いらしい。
「鴆、くん……、」
 潤んだ瞳の奥には快楽を貪欲に享受しようとする色が浮かび、鴆は胸が躍る。
 己の手によってリクオを目覚めさせたという喜びと、そして汚してしまった後悔が鴆を支配をして、やるせなさをただ腰を動かす事で誤魔化す。
 それでもこれが夢だと解っているからこそ、願望のままにリクオを奪い、泣かせては求めさせるのだ。
 なんという甘い夢だろうか。
 愛しい相手が自分の下で快楽に涙を流しては愛撫を請う姿を、望むがままに見る偽りの夢。

 夢だからこそ、鴆は何一つ躊躇う事なくリクオを陵辱していた。
 己の欲望をリクオの狭い後腔にねじ込み、リクオの性器を強引に扱いては射精を促す。
 夢であるからこそ、リクオも鴆の願望を表すかのように細い腰を揺らし、鴆にしがみついては強請るように口づけを返す。
 笑ってしまうではないか拙い仕草までが己の願望だとは。
 
 リクオに何を求めている?
 ただこうして陵辱したいだけなのか?

 なんと畜生にも劣る行為だろうか。
 生殖のための行為を汚し、理性ある生き物としての矜持を捨ててまで自分が何をしたいのか。

 せめて夢の中では許されるだろうと及ぶ行為は唾棄すべきものだった。
 欲しいという気持ちが抑えられない己れにとって、なんという甘美な夢か……。

 夢ならばいつまでも覚めてくれるなと願う己の浅ましさに、それでも鴆は夢を見続けるのだ……。








書いてから2ヶ月程放置してたらどんな展開にしたかったか思い出せなくなってましたorz

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