抵抗なんて皆無




 ネクタイを解き、シャツの釦を外しながら一燈は時生に近付く。
「五時間説教って言っただろうが」
「無理です!」
 説教の意図は勿論そういう事なのだが、さすがに5時間は無理な話だ。常識的に考えてく れと時生が拒否する。
「時生!二週間もお預けだったんだぞ。俺を殺す気か!」
 そう、久々なのだ。なのに時生は冷たく返す。
「溜まり過ぎで死んだ人はいませんっ! 第一他人をあてにせず自分で解決出来るじゃな いですか」
「ガキじゃあるまいし、何が悲しくて一人でしなきゃなんねーんだ。俺は時生の中に出し たいんだよ」
 2週間だぞ? いいかげん、重い! 足さばきが悪くなる! と、男としての情に訴える一燈に、何が重 いのか聞きたくないと、その下品な言葉の羅列に時生が頬を染める。
「だからー、適当に抜いてください」
「お前っ、浮気しろってんのか?」
 自分で処理しろと言わなかった時生の意図は、浮気可という事なのかもしれないが、それを一燈は拒絶する。
 相手に不自由はないが時生がいいのだ。
「それとも時生のイく顔思い出せってんの?」
 オイシイおかずには違いないが、やはり本物に限る。嫌だね。冗談じゃないと、 一燈は時生に詰め寄る。
「今夜は抜かず六発に付き合ってもらうからな」
 何しろ二週間も会えなかったのだ。これぐらいは当然とばかりに宣言した、一燈の絶倫とも思われる発言に時生の顔が青くなる。
「壊れますっ!!」
 五時間なんて冗談かと思いきや、一燈は本気のようで……。
「そん時は俺が直々にやさしーくお世話してやるよ」
 話ている間に既に一燈は上半身裸になっていて、意外と逞しい身体を正視できず時生は視線を落とす。
「……一燈さん、目がいやらしいです」
 見慣れた身体なのだが、こうして求められているのが解ると、途端に照れくさく恥ずかしくなる時生である。
「ふーん。時生の身体はいやらしいの大好きみたいだけど?」
 抱きしめても抵抗はなく、華奢な身体を委ねられる。なんだかんだ言いつつも拒否しない時生の身体は本人の言葉とは裏腹に抵抗などする予定は無いらしい。
「一燈さん……」
 唯一抵抗を見せる、異義をとなえようとする唇を一燈が塞ぐ。


 5時間と言わずずっとこうしてい たい、そんな言葉を飲み込んで。
 延長も有りだよな? そう囁いた一燈に、時生は小さく小さく頷いた。



説教はやはりそういう事なのかと。一燈さん絶倫説??(殴)



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