豪奢な装飾を凝らせた内装。今回も部長である環のアイデアが採用されている。
 この桜蘭で初の体育祭で赤白に別れてから指名にも変化が現れていた。

 自チームの活躍を語るためだろうがそれは光にとって拷問に近いものがあった。
 なにしろ最近馨の様子がおかしいのだ。生まれた時から一緒。そして恋人同士という関係。いつまでもこのままと思っていたがそれは誤りなのかと自問する。
 今は白組だった者が歓談の輪を作り盛り上がりを見せていた。
 話の中心は鏡夜と馨という異色の組み合わせ。それは女生徒達の興味を引くらしく輪が大きくなっている。
 どんな話からか、その輪の中でゲームがなされていた。時折黄色い歓声が響く。聞き耳を立てているとボディタッチゲームなるものがはじまろうとしていた。

「じゃあ馨。俺とボディタッチゲームをしよう」
「ヤダ先輩って手加減しないんだもん。でも優しくしてくれるならイイよ」

 それがどんなゲームか解らないが身体に触れるゲームだというのは解る。
 鏡夜先輩が馨に触るだって?
 そんな下心を許すなんて考えたくないけれど、まさか! 馨! あっさり白が良いって言ったのは鏡夜先輩にほれたのか?

 ハラハラする僕の前でゲームが始まる。

「肩胛骨」
「ちょっと先輩!いきなりハードじゃん!」

 盛り上がる輪を見つめつつ、出題者の言う箇所を自分で触れるゲームだと知れば、そりゃそうだろうと光も安堵の息を吐いた。


 普通なら馨の事を疑うなんてありえないけれど、あんな楽しそうな顔を見ていると不安になった。
 もちろんそんな誤解は一晩もあれば解消するんだけれど。


 僕らのラブスタイルは誰に理解されなくても、いつだって一緒、いつまでも変わらない。


 僕はまだそう信じている。



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