藤岡ハルヒの憂鬱 秋の味覚編




 そしてまたまたホスト部営業中。いつものように小悪魔双子がハルヒをおもちゃにしている。

「「秋の味覚と言えば?」」
「秋刀魚かな」

 近頃食卓に上る回数が多いし、旬のものは何だって美味しく食べられるとハルヒは答える。が、そんなハルヒに双子はニヤリと笑みを浮かべる。

「「やだなーハルヒ。松茸に決まってるよ」」
「匂い松茸、味シメジっていうからあまり美味しくなさそうだけど? 」

 光と馨に断言された庶民代表ハルヒは少々不機嫌に口を尖らせる。

「あっ食べた事ないんだー。馨なんか毎晩僕の松茸食べてるよね〜」
「なっ!!!」

「……ホント、光は馨より下品だよね」

 光の発言に馨は絶句しハルヒは嘆息してみせて…。しかしハルヒの言い草に光は食ってかかる。

「なんだよ馨よりって。それにー、反応するハルヒもハルヒだ」

 女の子のくせに! と言ってはみるものの明らかに双子の悪影響だとは気が付いていない一同である。おまけに女の子のくせに!というジェンダーフリーの時代にそぐわない発言はハルヒの苛立ちを増長させる。

「馨は一人だとわりと常識があるって前に言ったよね。光は馨の八割増し言動が下品だよ」
「言うね!馨だって僕と二人の時は卑猥なんだから!」
「ちょっと黙って聞いてれば何?その卑猥って!」

 光とハルヒの会話を面白半分に聞いていられなくなって馨も光に抗議する。

「だって馨の喘ぎ声ってマジでいやらしいよ?」
「やだっ光!ハルヒの前でそんな事…それに松茸なんてたいしたモノ?」

 一応は二人だけの秘密なのだからバラさなくても、と馨は『光なんてエノキだよ』と反撃に出る。

「 ちょっ…馨!」

 さすがにハルヒも顔を赤らめて席を立つと、様子を伺っていた環がとうとう怒りをあらわにする。

「 おーまーえーらー」
「 いい加減、その辺にしておけよ 」

 お父さんの怒りには、『なんだよ?』とにらみつけた二人だったが、後ろからお母さんが眼鏡を持ち上げつつたしなめたのに対しては直立不動で返事をした。

「「は…い」」

 ホスト部は恐怖政治だと後に二人が語ったとか語らないとか・・
 まだまだハルヒの憂鬱は続くのであった。






拍手のログです。ちょっと下品かなーと一年もお蔵入りしてたものです。季節が一巡したので復活させました。



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