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「本当にしても良いのかよ?」

「大丈夫、光なら上手に出来るよ」

「……いつもなら光は乱暴だからイヤだって言うのに」

「やっぱり、回数こなさないと上手にならないものね。ほら、僕が手を添えててあげるからゆっくりシテね」

「馨……」

「うん、そう。もっと……そっと、ゆっくりとイれて」

 馨の手に導かれているからか、光の所作は丁寧そのものだ。

「ふふ、流石じゃん、光。ねぇ……熱くない?」

「すごく熱い。馨……、もう、我慢出来ないかも」

 光の額には熱さのせいだけではない汗が浮かぶ。

「ダメだよ、我慢して。もっとゆっくりだって。そうそう真ん中から回して」

 馨にリードされながらも光はゆっくりと円を描くように回しいれる。

「これでイイ?」

 光が馨の表情を伺うと苦しそうに眉をよせている。

「あっ、ダメ、光。そこで止めて」

「馨?」

「早くしちゃうとダメだって。焦んないで。見てほら、ココ。……こんなに膨らんでる」

「馨、もう……、耐えられない」

「よく頑張ったね、光。もう最後までイれていいよ?」

「馨!!」














 女生徒達の黄色い歓声があがる。失神者も続出しているのだが勿論恐怖のためではない。

「ホント、光って何度教えても出来ないんだから」
「あのなぁ!! こんな安物のケトルで淹れさせるなよ、手が火傷しちゃうだろ?」
「サイフォンで淹れるより美味しいって言う光のために淹れてんのに、何だよその言い草〜。褒めればもっと上手に出来るかと思ったのに期待はずれだね」
「人を子供扱いすんなっ」

 いつもは庶民コーヒーを淹れるはずの場面で、普通のコーヒーを淹れて飲みたいと言った光のために、これからは自分でも淹れられるようにと馨が特訓した訳だが……
 挽いたコーヒー豆にゆっくりとお湯を淹れていく作業は根気のいる仕事だ。
 まず沸騰したお湯を80度ぐらいまで自然に下げ、まずは真ん中に少し注ぐ。
 そして外側に円を描くようにいれるのだが、十分に蒸らさないと美味しいコーヒーにはならない。
 粉がドームのように膨らんでくればほぼ成功したと思っても良いだろう。


 まだ双子は言い争いをしている。
 見学していた女生徒も異様なテンションだったが、見ての通りコーヒーを淹れていただけ。
 ただそれだけの事なのに、どうして失神者が出るような騒ぎになるのかイマイチ理解出来ないハルヒなのであった。






20歳以上のレディのみ。
っていうのは心の広ーい大人の余裕と寛容をもった方のみという事です。

すみません、石投げないでorz 単にセリフマジック。腐女子眼鏡で見るとあら不思議〜ってな事で笑い飛ばせる方大歓迎。
こんなバカな事を考えてしまう高那は淀川か大和川にでも沈めとくべきですよ。放っておくと同じセリフでコーヒーをいれるだけじゃない何かを書いてしまいそうww
自粛自粛。



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