これが僕らの夏休み
マンゴーがベースのジュース。 日本と違うところは、その量だ。日本で飲むジュースの三杯分はあろうかと思われるそれ。まるで恋人同士のようにハート形に細工されたストローで僕達は飲む。 おでこをくっつけて微笑みながら飲む事に違和感なんて感じないぐらい仲の良い僕達。そんな僕が近頃気がついたのは、馨に対する恋心だ。 でもそれはまだ封じている。 「光、さっきから僕ばっかり飲んでるんだけど?」 飲まないの?と聞いてくる馨の頬が赤い。 瞳も潤んでいて、見つめられているようだ。あれ?馨ってこんなに色っぽかったっけ? 「…光、これ以上我慢出来ない…」 「か、か、か、馨?」 まさか馨からの告白?そんな心の準備が出来てないのに! どうしよう?この夏僕らは大人の仲間入り?でもやはり最後の一線は越えたいようなまだ早いような…。 戸惑う僕をよそに馨の顔色が赤から青へと変わっていく。 「なんか、吐きそう…」 そう言われて初めてジュースにアルコールが入っていた事に気がついた。僕よりもたくさん飲んだ馨に影響が出たのは当然の結果で……。 酔っ払った馨とどうこう出来るはずもなく、結局、大人の仲間入りは果たせなかったのである。 日記のログです。確か夏頃のもの。バリに別荘があるという発言から。無意識ですが、この頃からヘタれな光が出現しはじめたもようorz |