軽井沢の夜の夢




 馨に無理矢理連れてこられた軽井沢。
 殿の掃除の後片付けをして、やっと椅子に座る。ホントもうありえない。マジで。
 鏡夜先輩達は散々注文してこき使うし。主にハニー先輩なんだけど、ケーキのおかわりを何回もするから行ったり来たりで余計に疲れたのかもしれない。っていうかあの胃袋信じられない。
 あーもう、足が痛い。やってらんないっ!
 そんな感じで一足先に休憩していると、やっと馨が戻ってくる。
「あー光ズルイ! 片付け残ってたのに!」
 そう言って怒った顔もカワイイって言ったら怒るかな? でも実際カワイイし。
 あのサブリナパンツも良くない? あの細い足首持っていやらしいことしたいなーって思わない奴がいたらお目にかかりたい。いや、僕以外にそんな事考える奴いたら全殺しだけどサ。
「馨も早く座りなよ」
 手招きして、右隣りを空ける。だってここは馨の指定席だからね。って、ちょっと馨どうしてそっちの椅子に座るんだよ!
 睨んだ意味を把握したらしい馨が小首を傾げる。その仕草がまたカワイイ。
「だってこっちの椅子も空いてたし。別にどこでも良いでしょ」
 確かに馨の言うとおりだが何か気に食わない。
「それとも僕がそこに座らなきゃならない理由でも?」
 うわー馨怒ってるよ、鏡夜先輩みたい!
 やっぱり掃除の後片付け途中だったから?
 でもさ、やっぱり馨には僕の右側に座ってほしい。
 何故かっていうと僕の利き手は右で、馨にタッチするにも肩を抱くにも、さり気なさを装ってお触りするのも下心が隠せて便利だからだ!!
 いや、腰を引き寄せるついでにお尻を触ったなんて数えるぐらいだし、まだ『前』までは触った事はないんだけど……。
 それになんと言っても馨が隣にいないのは寂しい。
 そんな様子を見かねてか馨が立ち上がる。
「ほらっ、もっとそっち詰めてくれないと座れないじゃん。それとも膝の上に座ってもイイの?」
 馨の言葉に一気に血圧が上がる。
 むしろ膝の上でお願いしますっ!! でもそうなると、僕であって僕でない部分に責任が持てなくなる可能性もあってそれは流石にヤバイ。いや、でも、是非膝の上で!!
 そんな下心が伝わったわけではないだろうが、結局馨は僕の隣へと座る。
 それはそれで充分なんだけど、いつかは……って期待しちゃやっぱマズイのかと、色々と悩みは尽きない恋する性少年なのであった。








「馨、もしかして今日ここに泊まるの? なんならシングルの部屋都合つくか美鈴さんに聞いてみようか?」
「ちょっとハルヒ、そのシングルの部屋って何?」
「その方が進展するかなって思ったんだけど?」
「毎晩一緒に寝てるんだよ? あの光が今更どうこう出来るとは思わないね」
 つい先日も寝呆けたふりして光に抱きついてきっかけを作ったのに固まったままだった光。股間をそんなに固くしておいてよく我慢出来るもんだと感心すらしてしまう。
 はぁ、とため息をついた馨にハルヒは、
「じゃあ馨からどうこうすれば良いのに」
 別にどっちがどっちでも良いんでしょ。と、呆れたように行ってしまって……。
「……ハ・ハルヒ?」

 もっとも理解のある彼女の言葉に馨が固まったのは言うまでもない。


 やっぱり続く。




原作からして季節がぐちゃぐちゃなんで、秋を書いた後にまた夏ですorz
次も夏ですがちょこっと進展ありかも・・・





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