砂漠の風5(おまけ)
ヒカルは大きくため息をつく。 「こいつのどこが寝相良いんだよ。ったく重いっていうの」 覆い被さるようにあるアキラの身体。アキラの頭がヒカルの肩の上にあり、ヒカルの足の間にアキラの身体がある。 規則正しい寝息が聞こえ始めて数分後、アキラはこの体勢へと傾れ込んだのだ。ヒカルにしてみれば、俺は敷き布団じゃないと言いたいところである。 そんなアキラの手が胸の一番敏感なところに触れそうな位置にあり、夜着が薄いためアキラの手の温もりや動きがダイレクトにヒカルに伝わる。 胸の登頂に触れられるのだけは流石に勘弁してもらいたいと思うわけだが、アキラの手はヒカルの胸の上から退く様子もない。 必死に退けようとしても、余計に胸を掴まれてしまうのでヒカルは諦めて力を抜いた。 その直後、 「っ!」 堅く尖りはじめた胸の登頂にアキラの指先が掠めてヒカルは思わず息を飲んだ。 全身に伝わる痺れから逃れようと身を捩ると、余計にアキラの指とその部分が擦れてしまって、その感覚にヒカルは泣きそうになった。 おまけに。 「こいつ勃ってるしーー」 ヒカルの足の間にアキラのモノらしき昂ぶりが押しつけられている。つまり……な場所にアキラの堅くなった先端を押しつけられていて、ヒカルの我慢は限界に達した。 やはり同じように怒りに震える佐為と二人、アキラの耳元で大きく深呼吸する。 「「このっ色情魔っ!!」」 耳元で叫んだので流石に起きたらしい。 「……どうしたんだ?」 眠気眼で起き上がったアキラは、ヒカルの紅潮し涙を浮かべた顔と自分の下半身の変化にまずい事をしでかしたと気が付いたらしい。 「……、眠っている時は不可抗力だよ、それに君が魅力的すぎるのが悪いのかもしれないしね」 全く悪怯れない様子でアキラはそう言いつつ再びヒカルを誘って一つの布団の中へと納まる。 ここで頑なになるのも大人げない、とりあえず一度は許してやろうと、ヒカルは次は許さないと念を押す。 「さっさと寝ないと、……今度は切るからな」 『まったく。俺が男だからこれで済むものの、本当の女の子だったら塔矢なんか嫌われる事間違いないよな』とヒカルは許すという行動に出た己れを納得させる。 「ごめん……」 ヒカルの大胆な言葉に流石に驚いたのか、申し訳なさそうに謝ったアキラが年相応に見えてヒカルは微笑ましくなる。 人はそれを好意というのかもしれない……。 |