BIRTH



綺麗になったね。

そう言うと君はいつも怒るけれど。

『そういうお前の方が綺麗系』

だなんて、僕を指差す君。

その指にそっと口付けして。

引き寄せた身体。

腰に手を回して、二人の空間を狭めていく。

触れ合う唇はいつだって甘い。

『だって今ケーキ食べたから』

何度しても慣れない君。

僕が『甘い』というと照れたように身体を離す。

しかしそれも一瞬だけ。

今度は首筋にキスをして。

その身体を思いっきり抱き締める。

肉付きの薄い少年の身体。

同性の身体なのに、彼の匂いが僕を急き立てる。

二枚重ねで着たTシャツを脱がせて。

滑らかな肌に誓いの口付けをする。

『僕はずっと君のものだよ』

そんな僕の言葉はくすりと笑って返された。

『俺がお前のもの、の間違いじゃねーの?』

勿論君の言うとおりだ。

僕は君のもので、君は僕のもの。

そんな当たり前の事を言う唇を塞いで、君と二人、生まれた時と同じ姿になる。

互いを高めあって、そして身体を一つにする行為。

いつだって夢中になる。

君に溺れていくような感覚。

深みにはまってしまった自分。

それが。

その事実がとてつもなく嬉しい。

二つの身体を一つに。

こんな限りのある行為じゃなく。

それこそ溶け合えたらどんなに良いだろうか。

『二人だからこそ良いんじゃないの?』

一人になると碁が打てなくなるぜ?

僕は君のそんな言葉に苦笑を漏らした。

二人だからこそ、肌の温もりも実感できる。

心地好さを感じる事が出来るというのに……。

本当に、いつだって君には適わない気がするよ。

君が言う艶やかな笑みを浮かべ。

そして僕は君に囁く。

『誕生日おめでとう。好きだよ、進藤』



お誕生日企画です。というか折角ですから書いてみました。ポエム…?



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