グルメ126話からです。ゼブラ・・・やばすぎです。
門をくぐってからずっと悪寒が止まらない。このおぞましい空気。
目の前を歩くトリコはずっと誰かと話している。
亡霊と話しているようにも思えてきて、身体が震えてくるのが止まらない。
それだけではない。先ほどからずっと誰かに監視されているようなのだ。
ねっとりと纏わりつくような視線。だが周囲を見ても猛獣が出るばかりで自分達以外の人間はいない。
数十キロの険しい一本道は風も強く、自然のなせる業か腹の底から響くような風の吹き抜ける音が恐怖を駆り立てる。ゴオオオオと絶え間なく続く、雄叫びにも似た音。
そればかりでなく先ほどからは、小松の耳元で何かが囁きかけてくる。
初めは風の音かとも思っていたのだが、真横で小松に何かを話しかけてくるではないか。きっと本当に亡霊がいるのだろうとトリコの様子からも小松は身震いした。
風の音で明瞭でなかった囁きが少しずつクリアになってくる。
「なぁ、さっきから無視しやがって。お高くとまってんのか」
「えっ?」
「随分小せぇ身体だなぁ、おい。でも良い尻してんじゃねぇか。早く揉みてぇな」
「えぇぇぇ?」
なんだ、この亡霊はと小松は思わず周囲を見渡す。だが相変わらず自分達以外の姿はない。
「良い声だな、オレ好みだぜぇ。それにアナルファックの好きそうな身体しやがって。あー早く犯してぇ」
「まさか、幻聴…?」
もしかしたら自分がおかしくなって幻聴でも聞こえるのだろうか。
「オレのモンを突き刺してひぃひぃ言わせてぇなぁ。トリコのイチモツで我慢出来なくなるぐらいに犯してやるよ」
「ひっ、」
思わず身体が竦んでしまう。こんなにはっきりと聞こえるのだからきっと亡霊がいるのだ。
先を歩くトリコについているらしい亡霊は何やら楽しげでもあるのに、自分の周りにいる亡霊は卑猥な言葉を並べ続けるなんて不公平ではないだろうか。
「そーだなぁ、まずはその小さな口でたっぷり御奉仕してもらいてぇな、顔面にぶっかけてやるよ」
「長い間出してねぇからたっぷり飲ませてやんぜ。尻もがばがばになるまで突っ込んでやる」
どうしてこんな辱めを受けなければならないのか…。
泣きたい気持ちでいっぱいだったが、泣くわけにもいかないと小松は押し黙る。この亡霊は自分の反応を楽しんでいるのだ。黙っていれば飽きていってしまうに違いない。
しかし亡霊はなおも続ける。
「そうそう、一歩ずつオレに食べられるために近付いてきな。たっぷり可愛がってやるぜぇ」
「ん? ああ…いやこいつはオレの相棒。小松っていう料理人だ・・・! あ?違げーよ小松は土産じゃねーって!! 食う気かお前!?」
トリコが何やら憤っているが、小松はそれどころではない。
「そうか。小松っていうのか。ふーん。トリコが連れてくるんだろうからさぞやうまいんだろうなぁ」
きっとうまいは、美味いじゃなくて上手いと書くのだろう。確かにトリコとは身体の関係もある恋仲ではあるが、やはり守りたいプライドというものもある。
ここはやはり泣き言を言うべきではないと延々とゼブラの卑猥な言葉に耐える小松なのであった。
そんな妄想が朝から繰り広がったのです。ジャンプショックでしんじゃいそうハァハァ