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気付いてくれたっていいじゃない

2010.04.28 01:04

若が足らない……。完全な若不足です。仕方ないので妄想ジャンプです。

続き
「痛いっ……鴆くん、お願い。優しくして?」
涙をその大きな瞳に浮かべ懇願するリクオ。はだけた着物から覗く白い肌。どんなに汚されてもリクオの初々しさはそのままだった。
「……、優しくだって? ちったあ我慢しろ」
無情にも言い放った鴆の手はリクオの哀願を無視し、その細い脚を乱暴にも思える仕草で掴む。
「ボク、もう……」
逃げる力ももうないのだろう。リクオは鴆の行為を受け入れるしかなかった。
耐えるように唇を噛み、襲い来る痛みに備えるリクオに対し鴆は労る様子など見せはしない。むしろ非情にも思える程だ。
痛みにリクオは表情を歪める。
「お願い…、抵抗しないから……。優しくしてよ」
とうとうこぼれ落ちた涙が丸い頬を伝えばさすがの鴆も手を止めるしかなく、次いで大きな溜め息をつく。
「…もしかして狙ってんのか? 優しくしてだとか抵抗しないだとか……。狙ってるとしか思えん」
上記の流れから何事かといらぬ誤解を招きそうだったが、実際今は単なる怪我の治療中なのだ。
牛鬼との特訓の二日目で確かに傷は痛いだろうが、愛らしく懇願されれば誤解もしようというもの。
「いいか? オレ以外の男にそんな台詞を言うんじゃねぇぞ?」
オレだから耐えられるが他の奴が聞いたら間違いなく押し倒されるからな。
そう諭して鴆は治療に専念する。
「…鴆くんの鈍感バーカ」
「あぁ? 何か言ったか?」
「なーんにも」
傷ならもう治ってる。痛くなんかない。
痛いのはいつまでも察してもらえないボクの恋心なんだから。


鴆←昼で。

SS

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