「リクオ、オレ達二人きりじゃねぇか?」
延々と続く鳥居の森。ふと後ろを振り向けばそこにいるはずの妖怪たちの姿が消えているではないか。
まさか、リクオがわざわざ自分と二人きりになりたくて誘ったとは思いがたいが、予期せぬ幸運に鴆の喉がゴクリと音を立てた。
「不服みたいな口調だな」
何か不都合があるのかとリクオが鴆に詰め寄る。
「いや、そうじゃねぇが・・・」
皆どこに消えてしまったのかと、他所事を考える鴆にリクオは二人きりの時にしか見せない表情を浮かべてみせた。
「オレはオメエと二人きりで嬉しいが?」
「リ・リクオ・・・」
普段は鴆を情人扱いしない夜のリクオが、頬を染め鴆に擦り寄ってくる。こんなチャンスはなかなか無いだろう。
「ちょいと休憩でもしていくか、リクオ」
お誂えむきに鳥居の向こうに宿屋が見える。
次回、鳥居の森の連れ込み宿屋。 お楽しみに!!!
そんな宿屋はありません、すみません。もしかしたら若と鴆が二人きりになってたらどうしようかと妄想してました。ちなみにご休憩一時間2800円な宿屋です。すみません。