特に山なしオチなし意味なしなSSですが、トリコ誕を祝いたかったので書きなぐってみました。
トリコさんお誕生日おめでとう!!!!!
「お誕生日おめでとうございます!!!」
小松が笑う。
そこには大きな大きなケーキ。専門ではないというが、料理のセンスのある人間ならケーキなど簡単なものなのだそうだ。
だけれど、小さな小さな身体の小松がケーキタワーを作るためにはどれだけの労力が必要だっただろう。
疲労の匂い。目の下のくま。オレのためのケーキ。
誕生日は祝うべきもので、この世に生まれてきた福を祝うためにあると知っても心が動かなかったオレがだ。
本当はこの日に生まれたのかなんて、チェインアニマルだったオレが知らなかったのにだ。
目の前にあるケーキじゃない、小松の笑顔に心が動く。
おめでとうというたった一言に涙が出そうになった。
うまくグルメ細胞に適合出来たオレ達は決して不幸だったわけじゃない。
育ての親もいたし、兄弟とも思う仲間もいた。グルメ細胞のおかげで強くなれた。旨い物も食えた。
ただ。普通の幸福というものになじみがなかっただけだ。
生まれてきて良かったのだと肯定される喜び。
「どうしたんです、トリコさん?」
足りませんか?
そう言って心配そうに見上げる実直な男の顔。
あぁ、あの日小松に出会えて良かった。
そして小松に恋をして良かった。