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84幕派生

2009.11.30 23:49

それはもう仕事関係が色々ピークでして。純粋に仕事もですが、年末に向けて飲み会が増える増える。四合瓶3本空にしたら、流石にあの世を見ました。酒癖悪いのは、酒が美味しいせいです。自制心が欠落しているせいじゃな・・・orz

さて、久々のSSです。
続き
「鴆様も会議に参加なさらなくて良いのですか?」
幹部にあてがわれた部屋は個室で、真新しい畳の匂いが違和感を覚えるような年代物の調度品に囲まれ思った以上に居心地が良い。
そこで鴆は、リクオには言うなと口止めして乗り込んだわりには、落ち着き払って肴をつまんでいる。
「リクオに見つかったらうるさいからな」
幹部が集まって対京妖怪の対策を練るとの事であったが、それは今更でもあり鴆にしてみれば己の必要性を感じるものではなかったので、リクオから身を隠すという大義名分の下、一人寛いでいた。
本家では出発前も、京から帰ったら三代目就任だと色めきだっていたが、因縁の羽衣狐を倒した瞬間が実質リクオが三代目になる瞬間なのだ。それをこの目でみずになんとするか。
それに熾烈を極めるであろう闘いに微力を尽くしたいという気持ちもある。
リクオの身に危険が及ぶならば、この残り少ない命も盾ぐらいにはなろう。

もし果てるならリクオの腕の中が良いとさえ考える自分のなんと女々しい事か。
いっそ彼の血肉になれればどれだけ良いのにとさえ思う。
しかし彼の記憶に残るだけしか術はなく、それもまた確実ではない。
どうせ死ぬなら後悔はしたくないものだと、差し入れられた酒を手酌する鴆なのであった。

そっと襖が閉まり、最近本家に行儀見習いに来た女妖怪が毛倡妓に尋ねる。
「今の御方が薬師一派の?」
猛毒をその羽に帯び荒々しい気性の妖であると聞いていたものだから粗相する事なく無事に部屋から出られた安堵に口も軽くなったようだ。
「そうよ。リクオ様の…」
義兄弟。と言い掛けて毛倡妓は言葉を濁す。
二人が5年振りに再会してからの、ささやかなれど甘やかな交情を密かに知る身としては、ただの義兄弟とひとくくりにするには女心が邪魔をしたのだ。
強いていうなれば、
「押し掛け女房?」
「はい?」
見習いの女妖が不可解な言葉を聞き返せば、毛倡妓は真っ赤に塗った唇に笑みを浮かべる。
「なんでもないわ」
我々の大切な若君を自由にしている男を女房というには語弊があるが、甲斐甲斐しく世話をする様子はまさしく女房に違いない。
いや、彼は鳥の妖なのだからオスの求愛行動は甲斐甲斐しいのが当たり前であるし、生涯かけて若君を大切にはしてくれるだろう。
ただその命が短いとされるのは残念ではあるが、本家の女妖怪達はリクオと鴆の間柄を好ましく思っている。
今度誰かに聞かれたら『鴆様はリクオ様の情人です』と答えてみようかと遊女の妖である毛倡妓はその目元を細めるのであった。


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原作で「義兄弟?」なんて発言があったものですから毛倡妓は二人が義兄弟とは思ってなくてホントは恋人だと言いたいんじゃないかと思ったわけです。

SS
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