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(オフ用の未完成品です。1からの続き場面も省略しています。ご了承いただけた方のみご覧ください。) 「そこまでしてどうして俺に抱かれた? まさか俺に惚れたとか?」 やはり初めてだったのか。だがあの反応は……。 「惚れるだって? 自惚れるな、俺はお前なんか好きじゃない」 威嚇するかのような刹那。 「じゃあどうして俺に抱かれた?」 そこまで準備して男に抱かれるのにどんな理由がある? 逃げられないように身体を抑える。まだまだ華奢な身体。 快楽に震えるその身体はロックオンのすべてに応えてくれる。なのに、その心は手の届くところにはない。どうしてなんだ? 何故そんなに頑なに心を閉ざす? さぁ正直に言えよ! だが刹那は冷たい目でこちらを見る。 「つ、都合が良かったからだ。お前を味方にしておけば必ず俺を助けるだろう?」 だから誤解してもらっては困るのだと言いたげで。 「背中を守るなら誰でも良かったのか?」 「察しがいいな」 口の端を歪めて笑う刹那から目を逸らす。期待していた訳ではないが、やはり気分の良いものではなかった。 利用されていた。 ベッドの中では甘い吐息を漏らし、もっとと懇願する仕草もまやかしだったのか。すがり付くように絡み付く手足。腕の中で安心して眠る姿も嘘だったのか。 これは打算のうえでの関係。自分も楽しんだじゃないかと言い聞かせてみても、刹那のふとした姿に魅せられた自分が憤りを感じている。 刹那は利益になる事しかしない、すべて計算済の行動で騙されはしたがいい思いもしたと無理矢理納得しようとしたが上手くいかなかった。 乱暴にパネルを叩くようにして部屋を出る。大事な手なのだから止めておけばと舌打ちしたが遅かった。自分の行動すべてが後手になっているようだ。 刹那の部屋を後にしながら、もう二度と刹那と係わらないでおこうと決めたのだった。 以下 本誌へ |