刹那の細い身体を作る細胞の一つ一つがロックオンが与える快楽で震えている。ロックオンをくわえこむ場所も戦慄き、刹那の分身も愉悦に揺れて涙を溢す。
「刹那っ」
 膝に抱き上げて結合を深くすると感極まって刹那の唇から甘い吐息がもれた。
 腹に刹那の白濁がかかるのも気にせずロックオンは刹那を揺さぶる。
「っあ、ぁ」
 いつもなら握りしめるシーツが無くて刹那の手が宙をさ迷う。ロックオンはその手を掴み、自分の肩に誘うと刹那も抵抗する事なくロックオンにすがり付いた。
「刹那……」
 耳元で名を呼べば一瞬視線が合わせられた。だが快楽に濡れた瞳は拒絶するかのようにすぐに伏せられる。

(刹那、お前は俺を受け入れはしないんだな)

 だったらせめて身体だけでもとロックオンは刹那を蹂躙し続けるのだった。



                           ******



 つくづくいやらしい身体になったものだと刹那は自嘲する。
 だがそんな思考能力もロックオンの腰が動かされる度に消えていった。
 難なくロックオンをくわえこむだけでなく、快楽さえ感じている身体をロックオンは軽蔑するだろうか。いや、きっと軽蔑しているに違いない。
 抱き上げられ、最奥とも思える場所に熱い楔が快楽をもたらして、刹那には何度めかの絶頂だった。
 堪えるはずの声が洩れる。
「っあ、ぁ」
 すがり付いてロックオンから与えられる愉悦を深く取り込み身体中が溶けそうだった。
「刹那っ」
 ロックオンに呼ばれ、思わず顔を上げると視線が合った。
 恥ずかしくて視線を反らす。
 ロックオンの端正な顔に快楽を見て、刹那は気恥ずかしさと胸の痛みを覚えるのだ。
 好きになってはいけない。彼を好きになっては破滅が待っている。
 解っているのに身体も心もロックオンでいっぱいになり刹那をバラバラにしようとする。
 そして突き上げる動きがさらに激しくなり刹那の意識も消え失せようとしていた。
 だがどんなに快楽を与えられようと刹那は最後の砦だけは崩さなかった。

(ロックオン、お前を好きになんてならない)

 それは言葉にこそならなかったが触れる肌が雄弁に伝える。
 理由が解らず身体だけを許されたロックオンは、ただ欲望のままに刹那の身体を貪るのだった。


 だがそんな二人の関係はやがて変化をもたらしていく……。






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