イカロスの翼





 人並み以上に愛くるしい顔をしているのは鏡を見れば解るし他人の視線からも解る。どちらかと言うと男が放っておかないのはこれまでで経験済だ。
 クルジスで薄汚れた子供の時でもいやらしい大人が誘ってきたものだ。アリーという傭兵も触らせてくれと懇願してたっけ。
 だが俺は安売りするつもりはなかったし、心から好きになった奴じゃなきゃ嫌だったんで断り続けた。こう見えても清純派だ。
 そしてやっと出会った俺の運命の人。
 ロックオンは俺の理想で、ことある事にモーションをかけているが気付く素振りがない。ありえないと思わないか?
「ロックオン、付き合ってくれ」
 こんなストレートな告白もロックオンにかかれば、
「なに? 射撃の練習か? 刹那は熱心だなぁ」
 よし、付き合ってやろう!と勝手に決めつけてくる。
 にこやかなロックオンの頭にハロでもぶつけてやりたい。
 射撃の腕は良くないと自覚はあるので願ったり叶ったりではあるが、どちらかというと接近戦を得意とする自分なので、セカンドミッションは接近戦と決めた。
 みてろよ、ロックオン。絶対に落としてやるからな!


 練習場に移動し、準備をする。
「そうそう。肩の力を抜いて腕は真っ直ぐ」
 逐一丁寧に教えてくれるが、俺があんたに教えてもらいたい事はベッドの中にある。
「あー、なんて言うんだろ。姿勢をこう」
 背後から密着して、ロックオンの腰やら肩やら腕やらが触れる。その体温に心臓がドキドキと動きを早めていた。耳元ではロックオンの息づかい。
 ヤバい。そんな密着されると誤解しそうだ。
 というかロックオンの股間が尻に当たってて、まさかロックオンもその気なのかと期待してしまうじゃないか。
「こら、腰が引けてる」
 ぐいっと姿勢を正された。つい密着度を高めようとしていたらしい。ちっ。
「刹那?」
 いい声だ。これでベッドの中とかで聞けたら最高なのに。
 そうだ。もっと積極的に誘ってみようか?
「ロックオン…」
 目一杯に甘く名前を呼んで近くまで寄せられている彼を上目遣いで誘うように見る。
 さぁどうだ! 可愛さには自覚があるのでロックオンとて何かしらの反応を見せるだろう。
 ただそれもロックオンが美人好きならお手上げなのだが、この据え膳状態でどうするかお手並み拝見だ。


『刹那……今日のお前、なんかカワイイな』
『ロックオンの前だけだ…』
『キスしたくなる』
『ロックオンならいい…』


 むしろさぁこい!な感じで目を瞑る。
 が、
「こら目を瞑ってちゃ的には当たらないだろ。ほら前っ」
 そう言って頭を無理矢理前に向かされる。
  ったく! なんて鈍感なんだ! 見てろよ。いつかお前を落としてやるからな。めろめろにしてやる!

  そう決意したのだがロックオンが年上好きと聞いた俺は2、3日浮上出来なかったのは言うまでもない。







性格が違うorz すみません。あまりにも刹那がロックオンにつれないので、ロク←刹にチャレンジ!!したらなんか違いました。アニメの刹那があまりにも重く不憫なのでかなり捏造ってしまいました。



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