不完全を嘆く涙は罪の欠片
なんて整った顔をした男なのだろう。 昔、自分の上で腰を振った男達は皆、埃と汗に塗れていた。 だが、このロックオン・ストラトスという男は色白で瞳はとても美しい色をしている。宝石の色だ。 長い髪は無造作に伸ばされたものではなく、ほのかに良い匂いがした。 幼い頃から男に慣らされた身体はもう男にしか反応しなくなっていて、何度自分が不完全だと思わされた事か。 今も、こうしてロックオン・ストラトスに目を奪われている自分を恥じる。 もう自分はあの時の子供ではない。男の身体の下で生きるためと大義名分を掲げて腰を振っていた自分とは違う。 決別したはずなのに……。 「なんだ、俺の顔に何かついているか?」 指先を守る手袋を外し、己の顔に触れるロックオン。その繊細な動きの指先に欲情した。 「目と鼻と口ならついている」 素っ気無く答えて視線を逸らす。無意識にこの男を見ていただなんて。 「あのなぁ」 子供の悪戯を咎める大人の口調とともに頭を撫でられる。いや厳密に言うと撫でられるというよりはかき回されるような感じだ。 「さっきから俺の事見てただろ? 言いたい事があれば遠慮すんなよ」 遠慮せずに言ったならきっとお前は驚くだろう。 『お前が好みのタイプだからセックスしたい』 そんな恐ろしい言葉を言えるはずがない。言った途端に今までの関係はすべて崩れるのだ。 「た、頼みがある」 なんだ?と聞き返すロックオンに「髪を切ってくれないか?」と切り出す。 「お安い御用」 そう言って笑うロックオンの笑顔に俺は胸を締め付けられた。 なんて綺麗な男なのだろう。 浜辺で背を向けて、ロックオンの手指に身を委ねる。 首筋に触れる手。耳にかかる髪を払わてれ背筋が痺れた。背中に散る残骸をフッと息を吹きかけて飛ばすなんて反則だ。 「ロックオン!」 早くしろと咎めると、ロックオンに黙っとけと頭を傾けられた。 髪を指で梳かれ、身体が反応していく。窮屈になり始めたジーンズだったが幸いな事にこの白い布が隠してくれた。 「ほら、こっち向け」 俯いていた顔に長い指が触れ、顎を支えられて上を向かされる。 大抵の男はこう言って口に欲望を押しこんできたが、目の前のロックオンは真剣な顔で鋏を握る。 目を瞑っても、ロックオンの顔が消えない。そっとジーンズの上から自身に触れると痛いぐらいに張り詰めていた。 苦しい。 あまりの苦しさにそっと前を寛げて自身を取り出した。イく訳にはいかないからただ握るだけ。 早く終わってくれとだけ願うがロックオンはあちらこちらに触れてくる。 どれだけ耐えていただろう。突然、目の前で前髪に触れていたロックオンに膝を掴まれ脚を開かされたのだ。 「なっ、何をする」 「いやらしい顔して説得力ねーよな。前、濡れて透けてんぜ?」 下を向くとロックオンの言うとおり、自身が恥ずかしく涙を流し存在を主張しているではないか。 「いくら暇だからってオナニーするか普通?」 もっと馬鹿にされるかと思っていたがロックオンはその欲望の対象が自分とも思わず『若いねぇ』なんてのん気なものだ。 「あいつ等に気づかれてないし、そのままじゃ辛いだろう? さっさとシちまえよ」 「ロッ…クオン」 ばれてしまった羞恥心にますます滾っているのを見透かされているのか。もう右手を動かさないでいるなんて出来はしなかった。 ゆっくりと上下に扱く。 「見るな……、」 脚の間に入ってきたロックオンは傍目には前髪を切っているだけにしか見えないだろう。 しかしロックオンは事もあろう事か白い布を持ち上げたのだ。 「なっ、何を」 「これ以上恥ずかしい液体で濡らしちゃダメだから俺が持っててやるよ」 ロックオンに勃起した下半身を晒しながらも俺は右手を動かし続ける。 「刹那ってそんな趣味?」 息が上がってきて、動きの早くなった右手をロックオンが揶揄する。 「んんっ、」 しかしそんな問いに答えられる余裕はなくて、俺はロックオンの眼前で自慰をしてみせたのだ。 見られているというだけでなく、脚の間のロックオンに欲情して……。 ロックオンの身体を脚で締め付けて達した俺をロックオンは嘲笑う。 「いいもん、見せてもらったぜ。刹那」 恥ずかしくて顔を上げられなかった。 濡れた手が気持ち悪い。 「さぁ、もう少しで終わりだからな」 まるで何事もなかったようなロックオンに口惜しさを覚えた。 ただの子供の行動に一々構っていられないとでもいうのだろうか。 なのに俺の下半身は一度では収まりそうになくて、さらにロックオンを呆れさせた。 惨めだったがそんな背徳感すら次の刺激だった。 自分はなんて不完全な人間なのだろう 男に欲情して。男の前で自慰をして喜んでいるなんて。 せめて零れ落ちた涙にだけは気付かれたくなくて俺は目を閉じたのだった……。 こんなEDじゃないよorz 妄想激しすぎです。でもこの二人がどうなるか個人的に気になるので妄想し続けたいと思います。(えぇ!?) |